眼鏡がでかい
ベルナドット隊長の夢女子
ド真ん中正攻法でこんなにもおもしろいジャパニーズ傑作アニメーション。
物語ばかり読んではだめ
『読みの整理学』外山滋比古
今年に入ってから一度の読みでじゅうぶん楽しめるような本ばかり読んでいた。卒論から解放されたのがよっぽどすっきりしたのか、絶対に頭をつかわないぞという意思さえ感じられる選択の数々。久しぶりにノートを開きながら本を読みたい。あんまり何もかもぴんときたようなわかったような気分にさせてくる易しい文章ばかり読んでいるのが怖い。
読むことは過去のひととの対話。書くことは未来のひととの対話。
健康優良
複数枚にわかれたレイヤーを統合する話。
文学者の震災責任
国民の戦争に対する意欲の上昇に影響を及ぼした作家には「文学者の戦争責任」が突きつけられる。そんな結果を想像しない戦時中は、反戦と読める文章を書くと取り締まられる、文学の力をもって国民を動員することに尽力するよう求められる、などの圧力が、でかい規模で組織的に存在した。是か非か、書くことを求められる。書き残したものは誹られる。
書かない責任も問われる。
いま興る文化は東日本大震災以後の文化だ。この時代に生きる者として書かなければいけないこと、読まなければいけないことがある。多く残されるということがひとつの価値だから。文化はひとの不幸のうえに成るけど、それでもいっしょに生きていけばいいと思う。
扇情的な帯に台無しにされてるけどいい表紙です。
生命力が落ちている
出会った人間のなかで最も読書量の多かった女が、「新品で買った本はもとをとるために6回読む」と言っていた。
文庫本1冊のページのほとんどを割いてひとつの季節を丁寧にかく。そのため、情報の密度が下がる。事件は少ない。そうでなければならない。こんなに丁寧な文章を読めないのなら、事の重大さをめくらましに白紙の束を売りつけられても文句が言えないと思わないか。
文庫版あとがきの「もう作者にもさわれないひとつの夏がここに生きている」がおもしろい。修正は要らなくて、書き進めるのみだ。
人間なにかを成し遂げると著しく生命力が落ちる。つまりなにもしていないあたしはぬるぬる生き延びる。正とか負とか善とか悪とか大とか小とかに対し、最も平坦な地に座って、転げ落ちるまねをしたり、やじをとばしたりしている。ひとりでもふたりでも大勢でもない。物語の興らない土地に徐々に近づいてきた。それも特別意味の無いことである。
夏!何が起きてもすばらしい季節。